小さいが大きな205歩目

こんばんは。富田です。

本日も「壁を破るものは何か 人間の魅力」を読んでの感想を述べたいと思います。

「働くという字は人が動くと書くが、今の時代そうではない。これからは頭で考える時代だ。身体を動かさずに頭を使う時代。だから、働くはニンベンに静という字を書いたら良い。」

これは、三菱経済研究所長であった町田一郎氏の言葉です。町田氏のことも田辺氏と同じく存じませんでしたので、どんな方が調べました。長野県生まれで、東京大学卒業後、三菱銀行(今の三菱UFJ銀行の全身)に入行。常務取締役となった後に、三菱経済研究所長に転じたようです。1902年生まれ、1992年没。

「壁を破るものは何か 人間の魅力」の初版は昭和44年。今、私が読んでいる本は昭和60年発行となっています。つまり、40年以上も前から既に、身体を動かして仕事をするのではなく、頭で考えて仕事をしなければならないと提唱していることに正直、驚きました。この本を昨日から読み始めたばかりですが、今の時代にも通じることがあるんですね。いや、寧ろ通じることしかありません。ホンモノは時代に左右されることは無いのだと改めて実感しました。

また、「人は身体を忙しく動かしていると、「いかにも仕事をしました」という錯覚に陥る。人は嫌な事態、困難な事態が起こると心理的にその圧迫から逃れようとする。仕事が難しい状態になると胃が悪くなったり、ノイローゼになるには「現実からの逃避」である。これと反対に忙しさの中に没入して嫌な問題を忘れようとする。「忙しから考える暇がないのはもっともだと」自分の行為を合理化する。これも「逃避」であることに変わりはない。身体が忙しくなったらもっと楽に、もっとよく、もっと速く、もっと安く、もっと安全にできる方法はないか。じっくり考えてみることである。」

という文章には頭をガツンと殴られた感覚がありました。

以前、私は仕事過多で適応障害になったとこのブログに書きましたが、あれはまさに、忙しさの中に没入して、嫌な仕事を忘れようとしていたんですよね。それを繰り返している内に、そのループから抜け出せなくなっていたんですね。あの時こそ、じっくり考える時間が必要だったのだと、この本を読んで気づくことが出来ました。

「もっと楽に、もっと良く、もっと速く、もっと安く、もっと安全に」

忙しいときこそ、このワードを心の中で唱え、じっくり考えていきます。